知っておきたい!トクホと機能性表示食品の違いとは?

皆さんは、コンビニやスーパーで「トクホ(特定保健用食品)」や「機能性表示食品」と書かれた飲み物やお菓子を見たことがありませんか?TVやYoutubeの広告でもよく見ますよね?

「体に良さそう」というイメージがあって、実際に購入して積極的に食されている方もいらっしゃると思います。似たような名前ですが、この2つの食品には、実は大きな違いがあります。将来、食品業界や健康に関わる仕事を目指す人にとっても、消費者として商品を選ぶ上でも、この違いを知っておくことは有益ですので、この記事で簡単に解説します。

1. 「トクホ」は「国の許可制」!

「トクホ」こと特定保健用食品は、その名の通り、特定の保健の目的が期待できる食品です。例えば、「お腹の調子を整える」「コレステロールの吸収を穏やかにする」といった効果(機能性)をパッケージに表示するには、国(消費者庁長官)の厳しい審査を受け、個別に許可を得る必要があります(健康増進法第43条第1項)。簡単に言うと、安全性や機能性(効果)について、国のお墨付きがあるというイメージです。

細かく言うと、「トクホ」には、疾病リスク低減表示、規格基準型、再許可等、条件付き、といった分類があるのですが、今回の記事での説明は割愛します。

2. 「機能性表示食品」は「事業者の届出制」!

一方、機能性表示食品は、トクホと違って国の個別の許可は受けません。なので、認証マークはありません。

商品パッケージに機能性を表示するには、事業者(メーカー)が自らの責任で、その機能性や安全性の科学的根拠(エビデンス)を消費者庁に届け出るだけで済みます。国は個別の審査・許可は行いませんが、消費者庁のHPにて、届出情報を検索することができます。

なお、一時話題となった、2024年の紅麹サプリメントの健康被害事件をきっかけに、この制度が見直され、企業が健康被害情報を探知したら行政機関に報告を義務付けること、サプリメント製品の製造工程の高度化(GMP)、表示方法の適正化等が必要となりました。

3. トクホと機能性表示食品の比較

ここまでをまとめましょう。以下のような表で整理できます。

項目特定保健用食品(トクホ)機能性表示食品
表示の許可国の個別の許可が必要国の個別の許可は不要
審査・関与国(消費者庁長官)が審査し許可事業者の責任で科学的根拠を届け出る
マークトクホマークがある決まったマークはない
費用と時間審査に費用と時間がかかる届出のため、トクホより少ない

4. なぜ機能性表示食品の制度ができたのか?

食品業界にいる身として、元消費者庁職員だった身として、よく聞かれるのが、「国の許可が必要なく、届出すればいい機能性表示食品って制度がなぜあるのか?」ということです。2015年に導入されたこの制度の真の目的は、以下の2点を実現するためです。

目的①:消費者の選択肢を増やす

トクホは、国の審査が厳格です。故に、費用も時間もかかり、中小企業の多い日本の食品事業者からすると、参入しづらい領域でした。事業者の責任による「届出制」にすることで、参入のハードルが下がり、より多様な健康食品が市場に出るようになり、消費者は自分の健康ニーズに合った商品を選びやすくなりました。

目的②:「あいまいな健康食品」を減らす

制度ができる前は、科学的根拠が不明確な「健康食品」があふれており、消費者が混乱したり、効果を誤解したりして多くのトラブルがありました。機能性表示食品は「自己申告」とはいえ、科学的根拠(論文など)を消費者庁に提出し、その情報がウェブサイトで公開されます。これにより、少なくとも根拠のない「でたらめな表示」はできなくなり消費者に判断材料を提供できるようになりました。

この目的が達成できているか、はコメントはしませんが、「この広告、本当か?」と思う内容や、その効果の根拠が「統計学的に有意差があるとはいえ、値が小さすぎるから、効果に差があるといえるの?」と思うデータであることは多々あるのが現状です。

4. トクホや機能性表示食品を販売したい事業者様へ

この2つの制度の大きな違いは、「誰が機能性や安全性をチェックしているか」でした。どちらの食品も、私たちの健康をサポートしてくれる可能性がありますが、トクホの方がより厳格な国の審査を経ていると言えます。とはいえ、なかなかトクホの許可を取るのは要求度が高く、時間もかかるため、機能性表示をしたいという事業者の事情も理解しております。

弊社は、これらの食品を販売したい事業者が、国への許可申請(トクホ)や届出(機能性表示食品)を行う際に必要な書類作成のサポートを行っています。元消費者庁職員として、複雑な制度を理解し、事業者がスムーズに商品開発・販売を進められ、お客さまに自信を持って販売できるようお手伝いするのが、私たちの重要な役割と考えます。

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