アレルギー表示は、本っっ当に重要な情報です!

皆さんは、アレルギーを持っていますか?

前回の投稿で、食品表示の全体像を解説しました。「ご自身やご家族にアレルギーを持っている方にとっては、食品表示は命を守る大切な情報になります。」と説明しましたが、本当に健康被害につながる重要な情報になるので、改めて解説します。

私は、食物アレルギーはないのですが、獣医師ながらお恥ずかしい話、「猫アレルギー」を持っています。猫を飼っている空間にいたり、猫に触ったりすると、目が真っ赤に腫れて鼻水が出てきます。子どもの頃は家で猫を飼っていて、もちろん何ともなく、可愛いとは思いますが、大学の実習で猫の診察をしたりしていた時に気がつきました。。。

きっと何かしら、アレルギーをお持ちかと思います。重要なのは、「好き嫌いとは全く別物である」ということです。アレルギーは体が勝手に反応してしまうものであり、そこに意思はありません。アレルギーの話をすると、「そんなの我慢が足りないからだ」「甘えている」と思われることは、残念ながら食品産業の中でさえも未だに多くの場面で見られます。

アレルギー反応はどうして起こる?

私たちには、ウイルスや細菌から体を守る「免疫」があります。食物アレルギーは、免疫に関わる細胞がウイルスや細菌と間違えて、本来無害な食物のタンパク質に反応することで発生します。細かい作用機序は割愛しますが、つまり、私たちの免疫システムが「体に悪いものだ!」と勘違いすることで起こります。繰り返しになりますが、好き、嫌いとは全く別物です。

アレルギーを起こすと、症状には個人差がありますが、重症化したり、時に死に至る場合があります。厚労省の統計では、年間50-70人で、うち食物アレルギーは数名程度となっています。

(画像は、消費者庁作成「食物アレルギーのお客様との会話で困った経験ありませんか」パンフレットより抜粋)

アレルギー物質(アレルゲン)とは?

アレルギーを引き起こす、食物に含まれるタンパク質のことをアレルギー物質(=アレルゲン)といいます。大きさは目に見えないほど小さいため、 アレルゲンがあるかないかは見た目で判断できません。

ここでよくトラブルとなるのは、飲食店でアレルゲンについて店員さんに聞いた際に、「この商品にそのアレルゲンは含まれていません」と答えてしまうことです!原材料には工場で頑張って他のアレルゲンが含まれないように管理をしていても、飲食店の厨房内では色んな商品を作る過程で意図してなくても混入してしまうのです。つまり、飲食店では、アレルゲンが含まれる可能性がある前提で利用する必要があるのです。

なお、どのくらいで発症するかは個人差が大きいものの、アレルゲン管理のための目安の基準(10ppm)はあります。ただ、これはアレルゲンの検査での検出限界を引用したものなので、10ppm以下なら安全、と言うものではありません。

参考:花粉症のアレルゲンの花粉の大きさ

どんなアレルゲンに注意が必要?

国では、アレルギーの発症数や症状の重篤度などを考慮して、食品の表示について2段階の規制をしています。

特定原材料8品目(表示義務)
発症数や症状の重篤度が高い

特定原材料に準ずるもの20品目(表示推奨)
発症者数や重篤度が確認されているものの、特定原材料と比較すると少ない

この項目は毎年のように追加になったり変更になったりします。国の制度としては、とても頻繁にタイムリーに変更される事項です。

健康被害を守るためには重要な情報ではありますが、消費者にとっても、食品事業者にとっても、情報が追いつきにくいのは課題であると感じています。

アレルゲン管理のために(製造工場、小売業向け)

まずは、食品メーカーにとってアレルゲン管理の対策は、主に、「混入防止」「情報管理」「適切な表示」の徹底です。

  • 原材料・製品の分別管理と識別表示:アレルゲンを含む原材料と含まない原材料を明確に区別し、保管・計量場所を分け、容器や器具を専用化(色分け等)して交差接触(コンタミネーション)を防止します。
  • 製造工程の工夫:アレルゲンを含まない製品から先に製造するなど、製造順序を考慮し、切り替え時の機械・器具の徹底洗浄や検査を実施します。
  • 従業員教育:全従業員へのアレルゲン知識と管理ルールの周知徹底。
  • 表示の正確性:原材料の確認と最終製品への正確なアレルゲン表示を厳守し、誤表示を防ぎます。

ですが、言うは易し、行うは難しです。とにかく、アレルゲンは目に見えませんから、付け焼き刃の対策では対応できません。管理は信頼できる専門家に対策を講じてもらうことが必要です。

アレルゲン管理のために(飲食店向け)

前提として、食品衛生上、食材の交差汚染が起きないように商品作成の区画管理が必要です。しかしながら、花粉のようにアレルゲンは飛びます。上述の通り、色んな商品を作る過程で意図してなくても混入します。よって、アレルギーをお持ちのお客さまから問われた際には、「この商品には入ってません」と安易に答えないことです。会社で作っているアレルゲン情報を見せる、意図しない混入があることをきちんと説明する、といったことが必須となります。

アレルギーを持ってお困りのお客さまは、ご自身の身を守るためにも意図しない混入があることをある程度知っています。そのために消費者庁も注意喚起を行なったりしています。お客さまの健康を守るためにも、曖昧な返答をせずに、分からない時は分からないと言える勇気も必要です。明確にお伝えすることが、回り回ってお客さまの信頼につながると考えます。

アレルギーによる食品事故を起こさないようにするために

私は、食品や動物産業に関わる中で、世間的にも「アレルギーなんて甘えだ」「最近の若者は、昔と比べて軟弱な体質だ」なんていう声を聞くことは、少なくありません。科学技術の蓄積や進歩によって解明されてきたことであり、ここ数十年で新しく発症したものでは決してありません。そういったことを受け入れて、相当大変な管理にはなりますが、原材料や製造工程の区分管理、混入防止対策、従業員教育、正確なアレルギー情報管理などに真摯に取り組む必要があります。

生半可な知識で対策を講じるのは大変リスキーです。製造工程対策や情報管理業務へのアドバイスも請け負っていますので、弊社までまずはお問い合わせください。

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