大切な家族(犬・猫)と一緒に海外に行くには?
年々、ペットを連れて海外に行く方は増加
留学や赴任などで大切な家族(愛犬や愛猫)を海外に連れて行きたい時にはどうしたらいいのでしょうか。人間と同じように、動物にも色々な手続きが必要になりますので、今回はそのルールを解説します。
まずは、どのくらいの犬・猫が海外に移動しているのでしょうか。農林水産省の統計データの犬猫の輸出頭数、上位4カ国のものを抽出してグラフを作成してみました。


※農林水産省「動物検疫統計」より作成
犬は猫の2〜3倍くらいの頭数となっています。グラフの推移を見てみると、2020年の新型コロナウイルス感染症の影響もあり、一時的に落ち込んでいますが、右肩上がりで回復しています。特に猫は、年々増加傾向で、コロナ禍前よりも約2倍の頭数が海外に渡っています。2024年1月にJAL航空機衝突事故で2匹の犬が犠牲になったことで、航空機への持ち込みの是非がメディアに取り上げられましたが、海外に大切な家族を連れて行きたいという方は多いことがグラフから分かります。
動物検疫ってなあに?
動物を海外に連れて行く際、単なる移動ではなく、「国際間の動物移動における衛生・法的コンプライアンス」への対応が求められます。
これは、動物を介した人獣共通感染症(ズーノーシス、例えば狂犬病)の国際的な拡散を防ぐため、家畜伝染病予防法や渡航先の輸入検疫法規に基づき、厳格な手続きが義務付けられているからです。ここでいう動物とは、生体だけでなく、牛肉、豚肉、鶏肉などの食品も含みます。最近だと、アフリカ豚熱によってスペイン産の生ハムが輸入できなくなったとニュースがありましたね。
この手続きの難しさは、主に以下の二点に集約されます。
- 時間軸が厳格: 狂犬病抗体検査後の180日間待機期間など、厳密な時間管理が求められ、スケジュールが一日でもずれると全ての準備がやり直しになるリスクがあります。
- 法的必要書類が煩雑: 検疫所や大使館が要求する「法的な書類」の中に、「獣医師の診断や検査結果」といった医療的な要素が不可欠となるため、両分野の深い理解が必要です。
🛫輸出するための必要な手続き
農水省の動物検疫のページに、輸出するための手続きが書いてありますので、それを参考にご紹介します。
Step 1:渡航先の国へ入国するための条件の確認
相手国の動物検疫機関や日本にある輸出先国大使館に入国条件を確認します。
Step 2:犬・猫が日本へ戻ってくる可能性がある場合
海外旅行や短期留学などの短期滞在の場合は、その条件を確認します。
※狂犬病抗体価検査は、動物病院で採血を行い、日本の農林水産大臣が指定する検査施設で検査を行う必要があります。
Step 3:渡航先の入国条件を満たす処置(予防注射など)の実施
動物病院で犬・猫への処置(予防注射など)を行い、証明書の発行が必須です。
Step 4:輸出検査の申請
輸出検査申請を検査を希望する動物検疫所へ提出します。STEP3で取得した証明書類をメールで、輸出検査を希望する動物検疫所へ送付します。動物検疫所は申請情報を確認が終わると、メール等で申請者へ連絡します。
Step 5:輸出検査(輸出検疫証明書の交付)
出発10日以内に輸出検査を行います。
(※ただし、渡航先の入国条件で輸出検査の期間が決まっている場合は、その期間内に行います。)
輸出検査の受付可能な時間帯・曜日については、申請確認後に動物検疫所から連絡します。
【検査受付時間(要予約)】
成田支所(携帯品・手荷物扱いでの輸送):毎日8時半から16時半まで
羽田空港支所:毎日8時半から16時半まで(検査場所:第3ターミナルCIQ棟)
関西空港支所:毎日8時半から16時半まで

上記のように、大きくStepが5つあるのですが、読んでも不安になってしまうほど煩雑な手続きです。留学や赴任で一緒に海外に連れて行こうとしても、ご自身の手続きだけでも大変なので、ついつい準備がギリギリになったり、間に合わないことがあります。私は大学時代のインターシップで、農水省の動物検疫所に見学させていただきましたが、その際も何頭かの犬・猫が行政手続き不備によって、飼い主さんと離れ離れになって動物検疫所にて必要な観察期間まで抑留されている光景を目の当たりにしました。やはり、行政手続きを確実に行うことが重要です。
🩺 弊社が提供するソリューション
弊社は、獣医師資格と行政書士資格を併せ持つ、複合的な専門性が特徴です。お客様のペットの海外渡航を成功に導くため、以下の3つに注力します。
1. 確実な輸出入要件のアセスメントと戦略立案
渡航準備は、まず日本と相手国、両方の輸出入要件を完全に把握することから始まります。
- 戦略的スケジュール作成: 渡航目標日と相手国の輸入規制(マイクロチップ装着日、ワクチン接種有効期間、抗体価*($0.5 \text{ IU/mL}$)*基準など)を正確に分析し、最適かつ失敗のリスクが最も低いオーダーメイドの準備ロードマップを作成します。
- 相手国法規の適合チェック: 獣医師としての知見から、過去のワクチン履歴や健康状態が、相手国が要求する輸入衛生証明の条件を満たしているかを初期段階で厳密に評価します。
2. 煩雑な行政手続きの代行と認証支援
準備が完了した後も、公的な書類作成と認証手続きという、煩雑な行政実務が残ります。
- 輸出検疫申請書の作成・提出代行: 家畜伝染病予防法に基づく輸出検査申請書や、動物検疫所への事前届出など、日本の行政手続きを一手に代行し、行政機関との専門的な折衝を担います。
- 国際認証手続きの支援: 相手国が要求する健康証明書(Veterinary Health Certificate)に対する、外務省のアポスティーユ認証や在日大使館・領事館の認証が必要な場合、これらの複雑な外交・行政手続きを代行し、法的に遵守した書類作成を確実に行います。
3. 医療書類の法的・医学的コンプライアンスのダブルチェック
この業務における最大の付加価値は、提出する医療書類の信頼性を担保することです。
- 獣医療記録のレビュー: かかりつけの獣医師が発行した診断書や検査結果報告書が、相手国法規の要求する特定の文言、有効期間、検査方法を完全に満たしているかを、行政書士の法的視点と獣医師の医学的視点の両方から検証します。これにより、書類不備による入国拒否リスクを極限まで低減します。
- 医療現場との連携: 検査値や使用ワクチンのロット番号といった専門情報について、医療機関と協力し、正確な書類作成をサポートします。

