もしもの時に!ペットをめぐるトラブル対応

ペットは大切な家族ですが、思いがけず近隣住民や他人に迷惑をかけてしまうこともあります。トラブルが起きたとき、どのように解決し、将来の紛争を防ぐのか、獣医師と行政書士の観点から解説します。

1. 犬の咬傷事故(噛みつき事故)と損害賠償責任

犬は1万年以上前から人間のパートナーであったことで知られる、最も人間と親しみのある動物と言っても過言ではありません。犬は残念ながら喋ることができませんから、行動であったり、吠えたり、噛んだりすることで意思を伝えます。特にストレスがかかる状況になると攻撃的な行動をとりますが、甘えたり、遊んでほしい時に、甘噛みすることもあります。
自分が飼っている犬が、他人を噛んで怪我をさせてしまった場合、飼い主は重い「損害賠償責任」を負います。これは、飼い主が動物を適切に管理する「飼い主責任」があるからです。

環境省が発表している統計データから咬傷事故の件数の推移のグラフを作ってみました。昭和から平成に時代とともに減少傾向が、平成後期には下げ止まり、令和になってからやや上昇傾向にあります。年間約5,000件ということは1日あたり約14件起きている計算になります!意外と多いのではないでしょうか。

なぜ上昇しているのかという点については、数字上では、令和元年と令和5年で比較すると、「けい留して運動中」、「その他」の事故件数がそれぞれ43%、47%の増加となっていますが詳細は分かりません。何かコロナ禍による影響があるのか、社会構造の変化なのか。。。推測の域を出ませんので、話を戻します。

*環境省HP:統計資料 「動物愛護管理行政事務提要」から作成

飼い主が負う責任

責任の種類内容根拠法令
民事責任(賠償)治療費、慰謝料、休業損害など、被害者が被った損害を金銭で賠償する義務。民法709条(不法行為責任)、
民法718条(動物の占有者等の責任)
行政責任(指導)・何人も、動物を取り扱う際は、必要な健康の管理、その動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境を確保しなければならない。
・自治体(保健所など)から、再発防止のための指導・措置命令(例:訓練、繋留の徹底)を受ける。
動物愛護管理法

咬傷事故が発生した場合、飼い主は直ちに自治体に届け出て、被害者に対して誠実に対応する必要があります。
事故後の賠償額や再発防止策について、被害者と飼い主の間で話し合って合意した内容を、法的に有効な文書としてまとめるのが示談書(じだんしょ)や念書(ねんしょ)です。双方が納得し、将来的に蒸し返されないよう、賠償金の支払い方法や示談の範囲を明確にした公正な文書になります。


2. 近隣との「ペットトラブル」予防と回避方法

ペットが原因で、近隣住民との間で「鳴き声がうるさい」「臭いがひどい」「多頭飼育で不潔だ」といったトラブルが発生し、関係が悪化するケースは多いです。

行政書士を介した紛争予防・回避手段があります

まずは飼い主が周辺住民に迷惑がかからないように適正に管理すべきところですが、なかなか飼い主任せにすることも改善が見込めません。

私も自治体の動物愛護管理員として、飼育崩壊している現場を見てきた経験から言って、既にそのようなトラブルが発生している時点で、飼い主が飼養コントロールを失っている状況である可能性が高いです。ただし、自治体職員は、口頭注意はしてくれますが、相当に酷い状況にならないと強い行動をしてくれません。

住民同士の口頭での話し合いでは解決が難しい場合に、行政書士を介した、法的な根拠に基づいた対応方法があります。

行政書士は、感情的になりがちなトラブルを、第三者として、冷静かつ論理的に解決に導くための文書作成と、行政機関への適切な働きかけを行うことができます。

トラブル解決手段行政書士の具体的な役割
内容証明郵便の作成相手方に対して、「いつまでに」「何を改善してほしいか」というこちらの要求を、証拠が残る正式な書面で通告します。これにより、相手に法的措置を辞さないという強い意思を伝えます。
行政指導要請の支援問題が動物愛護管理法の基準違反(例:不潔な飼育環境)に当たる場合、自治体(保健所など)への「指導要請」を代行し、行政の力による解決を促します。
合意書の作成鳴き声対策や清掃方法など、近隣間で合意した再発防止策を文書化し、今後の生活のルールを確定させます。 ※法的拘束力を持つものではありません

3. 咬傷事故や騒音・異臭トラブル回避のために弊社ができること

弊社は弁護士ではありませんので、代理人として交渉をまとめることができません。
ただ、獣医師として行政書士としてトラブルの回避や解決に向けたサポートはすることができます。近隣とのペットトラブルにお困りの方がいましたら、気軽に弊社にお問い合わせください!解決に向けて一緒に伴走させていただきます。

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